日本歴史地名大系 「西長寺」の解説
西長寺
さいちようじ
西向寺は至徳元年(一三八四)に深識の再建と伝えるのみで詳細は不明。しかし、同寺域内にある護摩堂の本尊丈六の阿弥陀如来については、それ以前より信仰があったらしい。「日見の大仏」として知られ、藤原末期の作と推定される(重要文化財)。「注進案」によれば、昔海中に夜々光を放ち、ある時漁人の夢に「吾ヲ引上ヨ」との告があってこの本尊を引き上げたとあり、菅原寺行基菩薩の作との印証があったとも伝え、大同二年(八〇七)伽藍を建立したのに始まるという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報