西長尾城跡(読み)にしながおじようあと

日本歴史地名大系 「西長尾城跡」の解説

西長尾城跡
にしながおじようあと

[現在地名]満濃町長尾

綾歌あやうた郡綾歌町との境にあるしろ(三七五・二メートル)山頂部と、山頂部からねこ(四六六・七メートル)に続く尾根の北斜面に構築された南北朝期から戦国期末にかけての城跡。南北朝期には猫山南の鷹丸たかまる山の西尾根にあった金丸かなまる城が主城で、西長尾の城とよばれ(「太平記」巻三八)、室町期以降は城山の城が西長尾城とよばれて、長尾氏の居城となったと推定される。金丸城跡は鷹丸山の尾根の最西端、標高二五〇メートルの所にあって、尾根を断ち切って幅八メートル・深さ四メートル・長さ八〇メートルの空堀があり、空堀の西に天幅二メートルの土塁、土塁から少し下って約一〇〇〇平方メートルの二段の削平地がある。西の城山、北の羽床はゆか(現綾歌郡綾上町)、東の平山ひらやま種子たね大谷川おおたにがわの各城、南の春日かすが(現仲南町)を連ねた南北朝期の集団城郭の一つと推定されている。

城山は中讃地方を一望できる要衝で、山頂に楕円形の約四〇〇平方メートルの削平地があり、本丸跡と推定される。山頂から西の尾根を少し下った所に一〇メートル平方の削平地がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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