要式行為(読み)ヨウシキコウイ

デジタル大辞泉 「要式行為」の意味・読み・例文・類語

ようしき‐こうい〔エウシキカウヰ〕【要式行為】

遺言婚姻手形の振り出しなど、一定方式に従って行わなければ成立しないか、または無効とされる法律行為

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精選版 日本国語大辞典 「要式行為」の意味・読み・例文・類語

ようしき‐こういエウシキカウヰ【要式行為】

  1. 〘 名詞 〙 書面その他一定の方式を必要とする法律行為。遺言、婚姻、定款作成、手形の振出など。これらの法律行為には、法律上一定の方式が要求され、その方式にしたがってなされなければ効力を生じない。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「要式行為」の意味・わかりやすい解説

要式行為
ようしきこうい

意思表示が一定の方式に従って行われないと効力が生じない法律行為。一定の書面の作成や,その届け出などが要求される場合が多い。遺言,財団設立のための寄付行為,社団設立のための定款作成,手形行為や婚姻などは要式行為である。要式行為は,法律行為自由の原則からは望ましくないので,近代法のもとで要式行為とされるのは,特にその法律行為の成否,効力について争いが起りがちであったり,その行為の社会的影響が大きく,または行為に特別な効力を与える必要があるため,行為の真正を確保する必要が特別に認められる場合に限られている。

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世界大百科事典(旧版)内の要式行為の言及

【法律行為】より

…意思表示の態様によって,1人1個の意思表示で成立するものは単独行為,同方向の2個以上の意思表示の合致によって成立するものは合同行為,対立する2個以上の意思表示の合致によって成立するものは契約である。意思表示の形式として,例えば書面の作成を必要とするのが要式行為,一定の形式を必要としないのが不要式行為で,後者が原則である。行為者の死亡によって効力の生ずる遺言や死因贈与は死後行為または死因行為で,その他の行為が生前行為である。…

【遺言】より

…それゆえ,Aを受遺者として,Aに特定の財産を遺贈する旨の遺言においても,また,Bを認知するという遺言においても,そのA,Bは,遺言の目的であって,相手方ではない。さらにまた,遺言は,一定の方式を要する要式行為である点において,同じく終意処分であっても,要式を必要としない死因贈与契約とは,その法的性質を異にする。
[遺言の方式]
 現行民法は,遺言は,この法律に定める方式に従わなければ,これをすることができない(民法960条)旨を規定し,方式を定めている。…

※「要式行為」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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