覆い被さる(読み)オイカブサル

デジタル大辞泉 「覆い被さる」の意味・読み・例文・類語

おい‐かぶさ・る〔おひ‐〕【覆い被さる】

[動ラ五(四)]おおいかぶさる」の音変化。「大きな枝が道の両側から―・る」

おおい‐かぶさ・る〔おほひ‐〕【覆い被さる】

[動ラ五(四)]
全体を覆うようにかぶさる。「前髪が目に―・る」
強い圧迫感をもって身に及んでくる。「責任が―・ってくる」

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精選版 日本国語大辞典 「覆い被さる」の意味・読み・例文・類語

おい‐かぶさ・るおひ‥【覆被・蔽被】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「おい」は「おおい」の変化したもの ) 広がって下の物を包むようなさまになる。また、ある事が負担圧力となって及んでくる。おおいかぶさる。
    1. [初出の実例]「朝夕に覆(オヒ)かぶさりし目の上の 辛夷も花の盛り也けり」(出典:俳諧・おらが春(1819))

覆い被さるの補助注記

樹木などの葉の茂みについていう場合が多く、夏目漱石「明暗‐三三」の「蓊鬱(こんもり)した竹藪一面に生(オ)ひ被(カブ)さって」のように表記される例もある。


おおい‐かぶさ・るおほひ‥【覆被】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 物を包むように上やまわりに広がる。
    1. [初出の実例]「淡竹(またけ)の雨を帯びた藪がその上に蔽(オホ)ひ冠(カブ)さった」(出典:田舎教師(1909)〈田山花袋〉四)
  3. 責任、負担、重圧などがかかる。
    1. [初出の実例]「目に見えない重いものの蓋(オホ)ひかぶさってゐる彼は」(出典:都会憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉)

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