覚者(読み)カクシャ

デジタル大辞泉 「覚者」の意味・読み・例文・類語

かく‐しゃ【覚者】

《〈梵〉buddhaの訳。音写仏陀ぶっだ仏語真理を体得した人。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「覚者」の意味・読み・例文・類語

かく‐しゃ【覚者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( [梵語] buddha の訳語 ) 仏語。宇宙・人生の真理を悟り、衆生(しゅじょう)を教え導いて欠けるところのない人。完全円満な人格完成者。
    1. [初出の実例]「謂男謂女是迷思、覚者賢人見即非」(出典性霊集‐一〇(1079)十喩詩)
    2. 「我法を空するを覚者と称し、我法に著するを愚夫と名く」(出典:愚迷発心集(1213頃))
  3. 物事を考え学ぶ人。
    1. [初出の実例]「此外、覚者智によりて、又別見所可有」(出典:花鏡(1424)奥段)

おぼえ‐しゃ【覚者】

  1. 〘 名詞 〙 武勇誉れの高い者。高名な武士。覚えの者。
    1. [初出の実例]「あさましき物〈略〉覚者(おぼえしゃ)降人に出たる」(出典:仮名草子犬枕(1606頃))

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世界大百科事典(旧版)内の覚者の言及

【仏陀】より

浮図(ふと),浮屠(ふと)と音訳されたこともあり,仏(ぶつ)とも略称される。意訳は覚者。〈悟る,目覚める〉の意の動詞ブッドbudhの過去分詞buddha(〈悟った〉)が普通名詞となったもの。…

【菩提】より

…仏教はすべて菩提の何たるかを説き,菩提を獲得するのを目的として,その実践修行の方法を説く宗教である。したがって仏教の礼拝対象は菩提を得た〈覚者〉,すなわち仏陀buddhaで,略して〈仏(ぶつ)〉という。そこでこの覚者は何を覚るかが菩提の内容になるが,それは諸法皆空,すべて存在するもの(色)には実体がない(空)という真理である。…

※「覚者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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