降参・降伏した人。「陸奥話記」などにすでにみえるが,具体的な処遇は治承・寿永の内乱期から現れる。鎌倉幕府では,降人の処遇はその場で決定せず,決まるまで関係者に預けたうえで審議の結果を待った。「玉葉」によると,1183年(寿永2)10月宣旨の前に,源頼朝が後白河上皇へ提案した条々には,帰参した人を処罰しないとした1条が盛り込まれ,降人への寛大な処遇がうかがえる。降人の所領は,鎌倉時代に半分,3分の1など一部を残して没収する慣習が成立,南北朝期には「降参半分の法」として立法化された。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…たんに降とも称し,合戦において勢いが尽きて服従する行為をいう。降参した者すなわち降人は多く捕縛され,顔に紙をかけられる。これは中国の面縛の故事にもとづく作法であるが,降人の恥への配慮を加味したものでもあったという。…
※「降人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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