角太夫節(読み)カクダユウブシ

デジタル大辞泉 「角太夫節」の意味・読み・例文・類語

かくだゆう‐ぶし〔カクダイフ‐〕【角夫節】

古浄瑠璃一派寛文(1661~1673)のころ京都山本角太夫(のちに土佐掾とさのじょう)が創始。この派から文弥節ぶんやぶしが生まれた。土佐節

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精選版 日本国語大辞典 「角太夫節」の意味・読み・例文・類語

かくだゆう‐ぶしカクダイフ‥【角太夫節】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、寛文(一六六一‐七三)のころ、京都で山本角太夫が起こした上方浄瑠璃節。この派から文彌節(ぶんやぶし)が生まれた。
    1. [初出の実例]「常の声にして角大夫節(ブシ)佐夜之助が哥を移し」(出典浮世草子好色一代女(1686)五)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「角太夫節」の意味・わかりやすい解説

角太夫節
かくだゆうぶし

古浄瑠璃の一種。山本角太夫 (受領号土佐掾) が始めた語り方で,憂い節を特色とし,延宝~元禄年間 (1673~1704) 大坂,京都で栄えた。

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世界大百科事典(旧版)内の角太夫節の言及

【人形浄瑠璃】より

…大坂で《頼光跡目論(あとめろん)》など金平物を得意とした井上播磨掾の門下から,竹本義太夫が生まれたのも故なしとしない。しかし中世色の濃い説経風の古浄瑠璃,角(かく)太夫節なども民衆の根強い支持を保ち,他方,古典的な優雅な題材を扱いつつ現代風俗をも摂取して浄瑠璃の地位を高めた宇治加賀掾は,近松初期の作品《世継曾我》(1683∥天和3)などを演じ,古浄瑠璃と義太夫節の橋渡し的存在となった。
[近松・義太夫時代――1680年代~1720年代]
 宇治加賀掾のワキをつとめていた竹本義太夫(筑後掾)は1684年(貞享1)大坂道頓堀,現在の浪花座の位置に竹本座を創立,歌舞伎と肩を並べる現代劇としての義太夫節を創始した。…

【文弥節】より

…文弥節を吸収したのは義太夫節で,《伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)》の〈政岡忠義の段〉の,〈忠と教える親鳥の〉は文弥節,《絵本太功記》十段目の〈涙に誠あらわせり〉は文弥オトシである。そのほか,山本角太夫(かくだゆう)の角太夫節も影響を受け,一中節も文弥の泣き節をとり入れたといわれ,新内節で使われるウレヒは,阿波太夫の影響といわれる。文弥節は義太夫の流行もあって,宝永(1704‐11)ころから急に衰退した。…

※「角太夫節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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