許滌新(読み)きょてきしん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「許滌新」の意味・わかりやすい解説

許滌新
きょてきしん / シュイティシン
(1900―1988)

中国の経済学者。広東(カントン)省掲陽(けいよう)県の人。北伐の中心地である広東で1925年共産主義青年団に加入中山(ちゅうざん)大学に学んだが27年の国共分裂後放校される。28年厦門(アモイ)大学入学、29年国立労働大学入学。35年春逮捕され、37年釈放。抗日戦期には漢口(かんこう/ハンコウ)などで『群衆』『新華日報』に社説論文を執筆した。50~54年華東財政経済委員会副主任、54年国務院中央工商行政管理局局長として民族資本家の社会主義的改造を指導した。文化大革命で失脚したが、復活し、経済研究所所長となる。78年11月中国社会科学院副院長。編著書には『過渡期における国民経済の分析』(1957)、『許滌新経済文選』(1980)、『政治経済学辞典』(上冊・中冊1980/下冊1981)など。

矢吹 晋]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「許滌新」の意味・わかりやすい解説

許滌新
きょてきしん
Xu Di-xin

[生]1906. 広東,掲陽
[没]1988.2.8. 北京
中国の経済学者。カザフ人で,早くから共産主義運動に参加。 1933年上海商学院卒業。 35年投獄されたが,日中戦争勃発とともに釈放され,漢口の『新華日報』に入り,のち武漢,重慶南京,上海などで工商界の統一戦線工作に従事。 50年上海市人民政府工商局長就任,以来経済貿易関係の要職歴任。 65年中国中央統一戦線工作部副部長。文化大革命で解職されたが,その後名誉を回復し,社会科学院経済研究所所長,人口学会会長などをつとめた。著作は多数に上るが,著書では『現代中国経済教程』 (1947) ,論文では『現段階における農村人民公社の根本制度を論ず』 (『紅旗』 15~16期) が特に有名。

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