…趣味,実用にも用いられ,正倉院にもあるえび香は沈香,白檀,丁香,麝香,甘松等を砕粉調合したものであるが,薫衣,防虫に用いられ,薫衣香ともいう。調合した香を袋に入れ,柱に掛けて装飾をも兼ねれば掛香,薬玉(くすだま),訶梨勒(かりろく)となり,懐中にすれば匂袋である。翫香は実用性を脱して趣味性,審美性に徹したもので一木の沈香木を心ゆくまで賞翫する一炷(いつちゆう)聞,文学的美意識と結合した組香による聞香(もんこう)を生み出し,日本独自の佳薫の芸道を成立させた。…
…透しのある球形の香炉で灰を入れる部分はつねに水平を保つようにくふうされたのが毬(まり)香炉(香玉,香毬(こうまり),佩香(はいこう))で,小型の毬香炉は懐中して留香にも用いられた。調合した香を袋に入れ柱に掛ける掛香(懸香)や香囊,訶梨勒(かりろく)などもある。組香【神保 博行】。…
※「訶梨勒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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