詠草(読み)エイソウ

デジタル大辞泉 「詠草」の意味・読み・例文・類語

えい‐そう〔‐サウ〕【詠草】

詠んだ歌や俳諧を紙に書いたもの。詠進をするときなどの公式たて詠草と、添削を請うときなどの折り詠草とがある。

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精選版 日本国語大辞典 「詠草」の意味・読み・例文・類語

えい‐そう‥サウ【詠草】

  1. 〘 名詞 〙 作ったり詠じたりした和歌や俳諧。また、それを紙に書きつけた草稿様式に縦横両方あり、詠進など公式な場合には縦のもの、添削を乞う場合などには横のものを多く用いた。歌稿句稿
    1. [初出の実例]「飛鳥井中納言雅世卿へ消息し奉りて、添削の詠草奉るとき」(出典:慕景集(1486頃))

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「詠草」の意味・わかりやすい解説

詠草
えいそう

詠歌の草稿が原義で、中世以降竪(たて)詠草と横(よこ)詠草とがあった。公式歌会の歌稿には竪詠草が用いられ、懐紙または短冊(たんざく)に清書し詠進された。これが転じて、懐紙、短冊などに書かれたものが懐紙詠草、短冊詠草などとよばれるようになった。横詠草とは折紙(おりがみ)詠草のことで、添削を請う場合などに用いる。また、個人の歌の集成を『長秋詠藻』(藤原俊成(しゅんぜい))などと自称し、『菅家詠草』(菅原道真(すがわらのみちざね))などと後世通称した。

[橋本不美男]

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