精選版 日本国語大辞典 「詰開」の意味・読み・例文・類語
つめ‐ひらき【詰開】
- 〘 名詞 〙 ( 「つめびらき」とも )
- ① 短くつめたり、長くのばしたりすること。調節。
- ② 蹴鞠(けまり)で、その輪をつめ寄せたり開いたりすること。
- [初出の実例]「つめびらきのたがふゆへに鞠落也」(出典:遊庭秘抄(1360頃か)開付向事)
- ③ 貴人の前から退出する時、立つ前に左か右へ身をひらきまわって立ち上がること。転じて、出所進退、立ち居振舞。また、挨拶。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- [初出の実例]「つめひらきと云はひざまはりの事也」(出典:随筆・貞丈雑記(1784頃)一)
- ④ 手紙や贈物などについて、こまかく気を配ること。
- [初出の実例]「又詞の外に、人々への音信(いんしん)・音物(いんぶつ)などに付て、そこそこへ気を配るを、つめひらきといふ」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一)
- ⑤ かけひき。談判。応対。
- ⑥ 帆船が向かい風をうけて最大限に風上に帆走することをいう船方の語。横風帆走の開き走りの限界を示す意味でいうもの。
- [初出の実例]「奈良茶にも歩けと船路の詰めひらき」(出典:雑俳・登梯子(1705))