誘導法(読み)ゆうどうほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「誘導法」の意味・わかりやすい解説

誘導法
ゆうどうほう

会計帳簿記録を棚卸評価によって整理修正し,収益および費用項目を選択集計して損益計算書を作成させ,残余資産負債および資本項目を集合して貸借対照表を調整する方法。2005年改正前商法33条は従来,貸借対照表の作成につき財産目録を中心とする実地棚卸によること(棚卸法)を要求していた。これは企業経営の見地および近代会計学の正規の簿記の原則理論からみて合理的でなかったので,1974年改正商法により誘導法に改められた。(→損益法

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の誘導法の言及

【貸借対照表】より

…このことから,この作成方法による貸借対照表は現在の損益計算を可能にし,将来の損益計算をも可能にさせる連結環であるといわれる。また,帳簿記録された取引と決算での整理記入から導き出されるため,この方法は誘導法といわれる。
[貸借対照表の様式]
 現時点で要請されている財務諸表規則および商法計算書類規則による貸借対照表は,いずれも動的貸借対照表としての決算貸借対照表であり,明りょう性の原則のもとで資産は流動資産,固定資産および繰延資産に,負債は流動負債および固定負債に区分されて記載される。…

※「誘導法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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