会計帳簿
かいけいちょうぼ
広義には会計を記録する帳簿を意味するが、狭義には商法・会社法がその作成を要求している帳簿である。商法・会社法は、商人・株式会社に対して法務省令(会社計算規則)に定めるところにより、会計帳簿の作成と帳簿閉鎖のときから10年間の保存を定めている(商法19条、会社法432条)。
しかし、商法・会社法は、会計帳簿の具体的な様式や種類を定めてはいない。したがって、それについては一般に公正妥当と認められている企業会計の慣行に従って解釈されることになろう。企業会計においては、複式簿記を前提とすれば、仕訳帳や元帳といった主要簿と、さらに必要に応じて現金出納帳や売上帳、仕入帳などの補助簿が用いられている。したがって、これらの帳簿が会計帳簿に含まれると解される。
[万代勝信]
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かいけいちょうぼ【会計帳簿】
企業が財産と損益の状況を明らかにするため作成する帳簿で,会計事実の原始的記録である日記帳,これを貸方借方に仕訳する仕訳帳およびこれを勘定として整理する元帳などの主要簿とそれらを補充する各種の補助簿がある。すべての商人は会計帳簿を作成し,(1)開業のときおよび毎年1回一定の時期における営業上の財産およびその価額,会社では,成立のときおよび毎決算期における営業上の財産およびその価額,(2)取引その他営業上の財産に影響を及ぼす事項を記載しなければならない(商法33条1項)。
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会計帳簿
かいけいちょうぼ
account books
貸借対照表などの計算書類を作成する元になる帳簿。日記帳,仕訳帳,元帳とその他の会計記録に必要な補助簿などからなる。会社は適時に正確な会計帳簿を書面または電磁的記録により作成しなければならず,会計帳簿の閉鎖時から 10年間は保存の義務がある(会社法432条1,2項)。(→商業帳簿)
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会計帳簿
金銭や備品・商品などの会社の資産の出入りなど、企業会計における商取引を記録する各種の帳簿をいう。逆に資産などの変動のない取引は、会計帳簿に記録する必要がない。
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世界大百科事典内の会計帳簿の言及
【帳簿】より
…企業と取引相手方との関係で作成され,手交される証憑(しようひよう)書類(注文書,送状,納品書,領収書など)およびその複写は,本来帳簿記録の基礎となるものであり,法的証拠力が最も高いものであるが,これらの証憑書類も,記帳手続の合理化という観点から秩序整然と継続的にファイルしていけば,帳簿に流用することができる。 商法上,商業帳簿は〈営業上ノ財産及損益ノ状況ヲ明ラカニスル為〉のもので,会計帳簿と貸借対照表をいう(商法32条1項)。しかし貸借対照表は,会計上,財務諸表(商法上は計算書類)の一つで,財務諸表が帳簿であるか否かは議論のあるところであるが,報告書であり,帳簿とみないのがむしろ普通である。…
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