貞昌寺(読み)ていしようじ

日本歴史地名大系 「貞昌寺」の解説

貞昌寺
ていしようじ

[現在地名]弘前市新寺町

新寺しんてら町寺院街にあり、東の本行ほんぎよう寺と西の真教しんきよう寺の間に位置。月窓山栄源院と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。もと磐城の専称せんしよう(現福島県いわき市)末寺。寺禄六〇石。旧浄土宗僧録所。寺号は永禄三年(一五六〇)三月に亡くなった藩祖津軽為信の生母桂屋貞昌大姉にちなむという(津軽一統志)。かつて津軽四ヵ方丈の一。

蓮門精舎旧詞(続浄土宗全書)によれば、開山は円蓮社良貞、永禄年間の建立とあり、開基に二代藩主津軽信枚をあてる。正徳元年(一七一一)の寺社領分限帳(市立弘前図書館蔵)には、大光寺だいこうじ(現南津軽郡平賀町)よりてら町へ移り、正保年間(一六四四―四八)現在地に移転したとある。寺禄は為信が慶長年間(一五九六―一六一五)に三〇石、信枚が元和年間(一六一五―二四)に三〇石寄付したとある。宝永三年(一七〇六)四代藩主津軽信政は、二代藩主信枚生母の栄源院の百年忌法事に際し、郭瑞籬・位牌堂・本堂庫裏・十五堂・観音堂・惣門・塀などを修復しており、藩の手厚い保護があった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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