資陽人(読み)しようじん(その他表記)Ziyang-ren

日本大百科全書(ニッポニカ) 「資陽人」の意味・わかりやすい解説

資陽人
しようじん
Ziyang-ren

中国で発見された新人段階の化石人類。1951年、四川(しせん/スーチョワン)省資陽県付近の鉄橋工事の際に、多数哺乳(ほにゅう)類化石とともに出土した。頭蓋(とうがい)底を欠く脳頭蓋と上顎(じょうがく)骨、口蓋骨だけが発見された。成人女性とみられる。頭蓋が高く、前頭部が膨らんでいるので、新人と思われるが、眼窩上(がんかじょう)隆起現代人より発達している。クロマニョン人山頂洞人よりやや古い形態をとどめているため、中国における最古の新人とみなされたが、伴出した木材の分析から、約7500年前と年代がはるかに新しく推定されている。

[香原志勢]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資陽人」の意味・わかりやすい解説

資陽人
しようじん
Ziyang-ren

中国四川省資陽県で,1951年,鉄橋工事の際に発見された化石人骨。翌年裴文中らが発掘を広げ,多数の更新世中期および更新世後期の動物化石を得た。資陽人は後者の化石群に伴う。眼窩上隆起は現代人より発達するが,新人類に属し,原モンゴロイド人骨と考えられている。文化遺物としては骨錐1個が伴出しただけである。

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