改訂新版 世界大百科事典 「裴文中」の意味・わかりやすい解説
裴文中 (はいぶんちゅう)
Péi Wén zhōng
生没年:1904-82
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出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
…第1年目に発見されたのは下顎の左の大臼歯1本だけであったが,北京の協和医学院の解剖学教授であったカナダの人類学者D.ブラックは,この歯が大きさ,形,エナメル質の厚さ,髄腔の広さなどの点で現代人とは異なることを認め,シナントロプス・ペキネンシスSinanthropus pekinensisという名称を提唱した。調査は継続され,2年後の29年の12月になって,ほぼ完全な脳頭蓋の化石が,調査主任の裴文中によって発見され,シナントロプスがジャワのピテカントロプスに近い原始人類であることが実証された。周口店ではその後37年まで発掘がおこなわれ,40体分以上の人類化石が発見されたが,これらの資料は太平洋戦争開戦以来,行方不明となっている。…
…頭蓋は高く,前頭部は膨隆し,最大幅は頭頂結節の位置にあるなど,全般的形態からこれが新人であることは確かであるが,現代人にくらべて眼窩上隆起が強く,前頭骨や頭頂骨の湾曲が弱いなど原始的特徴も見られる。さらに頭蓋の高さが長さに比して低く,ブレグマが前方に位置するなど,クロマニョン人,上洞人など他の化石現生人類よりも古い形態をとどめているところから,57年,裴文中と呉汝康はこれを中国における最古の新人とみなしたが,74年,詳細な地質学・古生物学・年代学的研究が発表され,その推定年代が7500±130B.P.まで引き下げられた結果,これは更新世人類ではなく完新世人類の頭蓋である可能性が強くなった。新人【池田 次郎】。…
※「裴文中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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