赤い蝋燭と人魚(読み)アカイロウソクトニンギョ

デジタル大辞泉 「赤い蝋燭と人魚」の意味・読み・例文・類語

あかいろうそくとにんぎょ〔あかいラフソクとニンギヨ〕【赤い蝋燭と人魚】

小川未明による創作童話。大正10年(1921)東京朝日新聞掲載。欲のために人魚信頼を裏切った人間天罰が下される物語

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精選版 日本国語大辞典 「赤い蝋燭と人魚」の意味・読み・例文・類語

あかいろうそくとにんぎょあかいラフソクとニンギョ【赤い蝋燭と人魚】

  1. 童話。小川未明作。大正一〇年(一九二一発表。人間に対する人魚の信頼と善意を裏切ったため、町が滅ぼされる物語。ロマンティシズムヒューマニズムの香り高い、作者代表作

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤い蝋燭と人魚」の意味・わかりやすい解説

赤い蝋燭と人魚
あかいろうそくとにんぎょ

小川未明(みめい)の短編童話。未明の童話における代表作の一つといわれているもの。1921年(大正10)2月『東京朝日新聞』夕刊に5日にわたり連載。北の海に住む女の人魚が、自分の子供だけは人間の世界で幸福に暮らさせたいと、娘を海辺の神社の下に産み落とす。近くの蝋燭屋老夫婦がその人魚の娘を拾って育てるが、金に目がくらんで見せ物師に売り渡すと、天罰か、嵐(あらし)がおこって娘を運ぶ船は沈み、蝋燭屋夫婦のいた町も滅びてしまうという粗筋。未明の正義感が暗いロマンチシズムと溶け合って、印象的な作品である。

上笙一郎

『『小川未明童話集』(旺文社文庫・新潮文庫)』『上笙一郎著『未明童話の本質』(1966・勁草書房)』

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