小川未明(みめい)の短編童話。未明の童話における代表作の一つといわれているもの。1921年(大正10)2月『東京朝日新聞』夕刊に5日にわたり連載。北の海に住む女の人魚が、自分の子供だけは人間の世界で幸福に暮らさせたいと、娘を海辺の神社の下に産み落とす。近くの蝋燭屋の老夫婦がその人魚の娘を拾って育てるが、金に目がくらんで見せ物師に売り渡すと、天罰か、嵐(あらし)がおこって娘を運ぶ船は沈み、蝋燭屋夫婦のいた町も滅びてしまうという粗筋。未明の正義感が暗いロマンチシズムと溶け合って、印象的な作品である。
[上笙一郎]
『『小川未明童話集』(旺文社文庫・新潮文庫)』▽『上笙一郎著『未明童話の本質』(1966・勁草書房)』
立春から数えて 88日目で,現行暦では5月2日頃にあたる。八十八夜を過ぎればもはや晩霜も終りになるので,農家ではこれを種まきや茶摘み,その他の農作業開始の基準としている。日本では明暦3 (1657) ...