日本大百科全書(ニッポニカ) 「超酸化物」の意味・わかりやすい解説
超酸化物
ちょうさんかぶつ
hyperoxide
superoxide
超酸化物イオンO2-を含む化合物をいう。一般式MIO2で示される。電気陽性の強い元素の化合物のみが知られている(MI=Na,K,Rb,Cs,1/2Ca,1/2Sr,1/2Ba)。O3-はオゾン化物イオンといい、MIO3(MI=Na,K,Rb,Cs)で示される化合物はオゾン化物(オゾニドozonide)であって、超酸化物とはいわない。
アルカリ金属の化合物は、金属あるいは金属酸化物を十分な酸素あるいは空気と熱して得られる。アルカリ土類金属化合物は、過酸化物と過酸化水素濃溶液との長時間加熱によって得られる。
アルカリ金属の化合物は黄色常磁性([OO]-イオンの存在のため)の固体。ナトリウム化合物のほかは乾燥空気中で安定。高温では分解し、融解状態では黒色を呈する。水と反応して酸素を放って過酸化物となり、高温ではさらに水酸化物にまで分解する。
2KO2→K2O2+O2
K2O2+H2O→2KOH+1/2O2
アルカリ土類金属化合物は純粋なものが得にくい。
[中原勝儼]