化学辞典 第2版 「黄鉄鉱型構造」の解説
黄鉄鉱型構造
オウテッコウガタコウゾウ
pyrite type structure
AB2の組成をもつ無機化合物にみられる典型的構造の一つ.ただし,Aは金属元素,Bは非金属元素である.立方晶系で空間群Pa3の対称性をもち,単位格子中に4化学単位が含まれる.B原子は B2 分子として存在し,この分子の中心とA原子が塩化ナトリウム型構造をなす.B2 分子の分子軸は体対角線方向に平行で,鉄鉱FeS2の場合S-S間の距離は0.214 nm である.黄鉄鉱のほか,CoS2,MnS2,NiS2,CoSe2,PtP2,PtAs2などがこの型の構造をもつ.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報