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超長基線電波干渉計 ちょうちょうきせんでんぱかんしょうけい Very Long Baseline Interferometer

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知恵蔵2015の解説

超長基線電波干渉計

数千〜数万kmを隔てて設置した複数の電波望遠鏡を連携させ、電波の干渉性を利用して高い分解能で天体の像を得るための望遠鏡。望遠鏡の角度分解能は観測波長に比例し、望遠鏡の口径に反比例するので、波長の長い電波観測で分解能を上げるには、口径を非常に大きくしなければならない。そこで開発されたのがアレイ電波干渉計。望遠鏡の実質的な口径はアンテナ間の距離になるので、望遠鏡の配置間隔が長いほど角度分解能が上がる。これを実現させたのがVLBI。VLBIでは地球上の各地に配置した電波望遠鏡で同時に同じ天体を観測し、観測後にデータ相関をとり、天体の電波画像を得る。VLBIでは望遠鏡口径を地球サイズ程度まで大きくできるので、波長の長い電波でも0.001秒角以下の角度分解能を達成できる。

(谷口義明 愛媛大学宇宙進化研究センターセンター長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

ちょうちょうきせんでんぱ‐かんしょうけい〔テウチヤウキセンデンパカンセフケイ〕【超長基線電波干渉計】

ブイ‐エル‐ビー‐アイ(VLBI)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

超長基線電波干渉計
ちょうちょうきせんでんぱかんしょうけい

電波の二地点への到達時間差を高精度で決定できる新方式の干渉計。VLBI(very long baseline interferometerの略称)ともいう。電波星あるいは人工衛星からの微弱な電波を二地点で同時に受信し、安定な原子時計を基準にして受信波形と時間信号を磁気テープに記録し、これらをきわめて精密に相関的に処理する方法をとる。従来の電波干渉計のように二つのアンテナをケーブルで結ぶ必要がないので、二地点間の距離を数千キロメートル以上にまで伸ばせるのもこの干渉計の特徴である。
 この干渉計の基本的概念は古くからあったが、最近の宇宙電波観測技術、高速磁気記録装置やコンピュータによる情報の大量処理技術、きわめて安定な原子時計が実現するような精密計測技術などの急速な発展に伴って、その測定精度は飛躍的に上昇した。現在では、時間差の決定精度は約100億分の1秒に達しており、大陸間の距離を数センチメートル以下の誤差で測定したり、電波星の位置を1万分の数秒角で測ることができるようになった。その結果、この干渉計による技術は非常に多くの分野で利用されている。たとえば電波天文学では、電波星の構造をより精密に調べるために用いられ、測地の分野では、地殻の運動を測って地震を予知するのに役だち、地球物理学の分野では、地球回転や極運動の測定に利用されている。そのほか、国際的な原子時計の比較、人工衛星の軌道決定などにも、もっとも高精度な新しい手段の一つとして、利用の道が開かれている。
 1984年(昭和59)初頭から始まった日米VLBI共同実験で、郵政省電波研究所(現通信総合研究所)の鹿島(かしま)VLBI局は、日本とアメリカ大陸間の距離を約3センチメートルの精度で測定することに成功した。地殻プレートの運動を実証するための実験は、ヨーロッパのVLBI局の参加を得てその後も続けられ、ハワイ諸島などがのる太平洋プレートが、日本がのるアジアプレートの方向に、年間約5センチメートルの速さで近づいていることが実証された。[若井 登]

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世界大百科事典内の超長基線電波干渉計の言及

【電波干渉計】より

…ある規則に従って配列した複数個のアンテナで天体の電波を受け,それぞれのアンテナ出力を互いに干渉させることによって,電波源の位置,形状を測定する電波望遠鏡の一種。 天体の電波観測に干渉計を用いる理由は,分解能(解像力)をよくするためである。電波は光に比べると波長が103~108倍長いので,単独のアンテナでは十分よい分解能を得ることはできない。アンテナの口径をD,波長をλとすると,分解能はλ/D(rad)である。…

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