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足迹 あしあと

世界大百科事典 第2版の解説

あしあと【足迹】

徳田秋声長編小説。1910年(明治43)《読売新聞》に発表。12年,新潮社から刊行。秋声の妻はまの彼と結婚するまでの前半生を素材とした作品で,《黴(かび)》の姉妹編。お庄の一家は,故郷の田畑家屋敷を処分して得た金を元手に都会で一旗挙げるべく,家族こぞって上京するが,父親は事業に失敗し,一家離散の悲運が訪れる。両親のもとを離れたお庄は,浅草の小間物屋湯島で下宿屋を営む伯母の手伝い,日本橋商家女中奉公というように,他人の家を転々とした後,郊外の料理屋の嫁となるが,夫に嫌気がさしてそこから逃げ出す。

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世界大百科事典内の足迹の言及

【徳田秋声】より

…短編《藪かうじ》(1896),長編《雲のゆくへ》(1900)などでやや世評を得たものの,その地味で暗い作風ゆえに,同門の鏡花や小栗風葉ほどの人気はなかった。しかし1903年の紅葉の死去から日露戦争後にかけて自然主義文学が台頭するに及んで,その冷徹な客観描写はしだいに彫琢の度を加え,中編《新世帯(あらじよたい)》(1908)を経て,夫人はまの前歴に取材した《足迹(あしあと)》(1910),彼女との結婚と紅葉の死の前後を私小説風に描いた《黴(かび)》(1911)を発表,文壇的地位を確立した。生田長江は彼を〈生れたる自然派〉と呼び,田山花袋は《足迹》を〈かよわい女のかげに広いライフが無限に展開されている〉と評している。…

※「足迹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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