(読み)つまずき

精選版 日本国語大辞典 「躓」の意味・読み・例文・類語

つま‐ずき‥づき【躓】

  1. 〘 名詞 〙
  2. つまずくこと。物などにけつまずくこと。転じて、しくじること。失敗すること。また、その失敗。
    1. [初出の実例]「つまづきもなくてことしはかずさしつゑひさまたれて今日もかへりぬ」(出典:兼盛集(990頃))
    2. 「たとひよき仏師にあひ給ふとも、なほをののつまづきあるべし」(出典:水鏡(12C後)中)
  3. 聖書で、罪への機会堕落への誘惑をさす。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「躓」の読み・字形・画数・意味


22画

[字音] チ・シツ
[字訓] つまずく・たおれる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は質(しつ)。〔説文〕二下に「(つまづ)くなり」とあり、〔詩、風、狼跋〕に「載(すなは)ち其の尾を躓(ふ)む」とあってつまずく意。老いた狼は、前に胡(あごにく)を踏み、後に尾につまずき、進退に窮するので、狼跋の意とする。

[訓義]
1. つまずく、さえぎるものにさわる。
2. たおれる、つまずいてたおれる。
3. しくじる、失敗する。
4. とまる。
5. 胝(ち)と通じ、あしだこ、まめ。

[古辞書の訓]
名義抄〕躓 ツマヅク・セム 〔字鏡〕躓 ツマヅク・セム・ヒヅメ

[語系]
躓・窒・tietは同声。・嚏tieiは声近く、(ち)は木の根を包んで植え、根づかせる形で、固く定着し、滞る意がある。嚏はくさめ、おしとどめられたものが、勢い強く噴出する。勢いでつまずき倒れることを躓といい、窒・(ちつ)は塞ぎとめる意。跌(てつ)・(迭)dyetは足をふみたがえて倒れかかる意。みな一系の語である。

[熟語]
躓礙・躓躓蹶・躓躓士・躓躓頓躓仆・躓
[下接語]
坎躓・窮躓・蹶躓・蹇躓・困躓・屯躓・躓・倒躓・頓躓・馬躓・跋躓・奔躓

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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