デジタル大辞泉
「躙り口」の意味・読み・例文・類語
にじり‐ぐち【×躙り口】
草庵茶室における客の出入り口。ふつう、高さ2尺2寸(約66センチ)、幅2尺1寸(約63センチ)くらい。にじるようにして入るのでこの名がある。にじりあがり。くぐり。→貴人口1
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にじり‐ぐち【躙口】
- 〘 名詞 〙 茶室における客の出入口。にじるようにして出入りするところからの称。古くは「くぐり」とも呼んだ。はじめ、貴人には用いなかったが、利休が茶室の様式を確立してからは、すべての客の出入りに用いた。普通、高さ二尺二寸(約六六センチメートル)、幅二尺一寸(約六三センチメートル)ぐらいを規準とするが定法はない。にじりこみ。にじりあがり。にじり。
躙口〈京都府妙喜庵待庵〉
- [初出の実例]「中くぐり〈略〉杉の掘込柱に壁を付て、にじり口より大ぶりの戸を用ゆ」(出典:茶道筌蹄(1816)一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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躙口【にじりぐち】
草庵における茶室特有の客の出入口。潜(くぐ)りともいう。小さい室内を大きくみせるために入口を小さくしたものといわれ,約2尺2寸四方が標準。
→関連項目茶室|妙喜庵
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にじりぐち【躙り口】
草庵茶室に設けた客の出入り口。高さ2尺2寸(約67cm)、幅2尺1寸(約64cm)が標準。開口部が小さく、客はにじって(正座のまま少しずつ膝をつかって進むこと)入る。◇「潜(くぐ)り」「躙りあがり」ともいう。
出典 講談社家とインテリアの用語がわかる辞典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の躙り口の言及
【茶室】より
…やがて土間付四畳半の前面の壁を吹き放すと土間庇に発展する。縁が解体して,露地に腰掛がつくられ,刀掛がくふうされ,入口が潜り(躙口(にじりぐち))に変わり,土間庇に露地の飛石が進入して躙口で畳と庭とが直結される。こうして露地と茶室を一体化した茶の湯の場が成立した。…
【茶道】より
…こうした清めの儀礼を繰り返すことによって,茶会の場が,神ごとを模倣した聖なる会であることを象徴しようとしている。客が招じ入れられる茶室には広間や小間などがあるが,わび茶の場合,小間という4畳半以下の茶室が中心で,小間には多くの場合,入口として躙口(にじりぐち)という高さ・幅60cm四方ぐらいの狭い口が付けられている。こうした狭い入口は演劇という想像力の世界である芝居小屋の出入口とか,寝室のような非常にプライベートな場所の入口に類似したものが見いだせるように,特定の人だけが入ることを許される口で,その内部の茶室は非日常的な空間であることを意味していることがわかる。…
※「躙り口」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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