車引(読み)クルマビキ

精選版 日本国語大辞典 「車引」の意味・読み・例文・類語

くるま‐ひき【車引】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 車に人や荷物をのせて引くこと。また、それをする人。車夫車力車屋。〔書言字考節用集(1717)〕
    1. [初出の実例]「車引女を見るといきみ出し」(出典:雑俳・柳多留‐初(1765))
  3. 軍隊を、ひかせること。退陣
    1. [初出の実例]「車引に引取、その節城中より大勢付添て、矢嶋勢十四五人討死す」(出典:矢島十二頭記(17C前か))

くるまびき【車引】

  1. 浄瑠璃「菅原伝授手習鑑」の第三段目の通称。時平の車をおしとどめようとするところからいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の車引の言及

【菅原伝授手習鑑】より

…人形浄瑠璃,歌舞伎ともに名作である。〈車曳〉は,歌舞伎では〈車引〉と表記することが多い。なお,三つ子の巷説は,大坂で三つ子の男子が生まれ,50貫目の褒美をもらい,3子とも丈夫に育ち,禁裏の牛飼を仰せ付けられたというものである。…

※「車引」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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