辞賦(読み)ジフ

デジタル大辞泉 「辞賦」の意味・読み・例文・類語

じ‐ふ【辞賦】

中国文学様式の一。詩と散文との中間にあって、対句を連ね韻も踏むが、特に定まった規則はない。叙情的性格の強い辞と、叙事的な賦とに分けることもある。

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精選版 日本国語大辞典 「辞賦」の意味・読み・例文・類語

じ‐ふ【辞賦】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 文体の名。辞と賦。楚辞に発し、抒情的なものを辞、叙事的なものを賦という。〔史記‐司馬相如伝〕
  3. 詩文をいう。詞賦
    1. [初出の実例]「証古の学、辞賦の業、勤たりと雖ども」(出典:江戸繁昌記(1832‐36)四)

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普及版 字通 「辞賦」の読み・字形・画数・意味

【辞賦】じふ

文体の名。楚辞から出て、のち叙事を主とするものを賦という。〔三国志、魏、陳思王(植)伝〕年十餘、詩論び辭賦數十言を誦讀し、善くを屬(つく)る。

字通「辞」の項目を見る

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「辞賦」の意味・わかりやすい解説

辞賦
じふ

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世界大百科事典(旧版)内の辞賦の言及

【中国文学】より

…この時期の文学を5項に分けて述べよう。
[辞賦]
 の韻文は漢代に入って急速に発達し,多数の作家を出し,成帝の世(在位,前33~前7)までに合計1000編近い作品が発表されていた。漢代の賦はおおむね2類に分かれる。…

【賦】より

…漢代に入ると,賦はしだいに《楚辞》的な世界から独立して,この時代を代表する特色ある文学様式として発展した。賦およびその系列に属する様式は,〈辞賦〉の名で呼ばれるのが一般だった。漢賦の初期の作者である賈誼(かぎ)の作品には,まだ《楚辞》的な抒情性のなごりがあるが,やがて叙事をこととする方向に大きく傾斜していった。…

※「辞賦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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