農地造成(読み)のうちぞうせい(英語表記)land reclamation

  • land development

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

開墾や干拓などによって、農地を新たにつくりだすこと。安定した農業基盤をつくり食糧を安定的に供給するために、また都市化による農地転用や壊廃による農地面積の減少を補うため、日本では農林水産省などによって実施されている。1980年代からは造成面積が急減し、90年代以降は年間1万ヘクタールに満たないが、かつては10万ヘクタール前後の時代もあった。第二次世界大戦後の総計では200万ヘクタール近くの農地が造成されてきた。

 開墾は、山林、原野など未墾の陸地から、水田、畑、樹園地、牧草地などの農地を開くことである。開墾により水田をつくる開田は、第二次世界大戦後から高度成長期にかけて大々的に行われたが、米の過剰を契機に停止した。一方、畑作物は全般的に輸入依存率が高いため、水田以外の開墾(開畑)は依然、重要な役割をもっている。

 開畑のおもな工程は、伐採→抜根・排根→表土剥(は)ぎ→基盤切盛り→表土戻し→土壌改良剤散布→耕起であり、基盤切盛りの形態によって、以下の四つに分けられる。(1)山成畑工(やまなりばたこう) 現況地形勾配(こうばい)そのままに畑面を仕上げる工法で、約15度以下の地形に適用する。牧草地ではこれが主体で、30度くらいまで適用されることもあるが、その場合には保全のため部分耕起となる。(2)改良山成畑工 現況地形の山を削り取り谷を埋め立て、緩やかな勾配の畑地を造成する工法で、造成後の有効畑面積率が大きくとれるが土工量および経費が大きくかかる。(3)階段畑工 急傾斜地を切盛りによって階段状に仕上げる工法で、土工量は比較的少ないが段差斜面によるつぶれ地率が大きいなどの問題がある。(4)斜面畑工 現況地形の改良を行わず、農道を等高線方向に密に配置する工法で、樹園地に適用される。

[山路永司]

『安富六郎・多田敦・山路永司編『農地工学』第3版(1999・文永堂出版)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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