ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「農村振興運動」の意味・わかりやすい解説 農村振興運動のうそんしんこううんどう 朝鮮総督府が 1933年に開始した農業政策。朝鮮では小作農が8割を占め,春先の食糧に欠乏する慢性的な苦境に陥っていた。総督府は小作農自身の生活,意識改善をはかる一方,農業振興に必要な農政上の諸施策を実施した。 32年「農村振興委員会」を設けて政策実施の中心機関とし,33年政令を発して実施に踏切った。 35年には「全鮮農山漁村振興関係大会」を開催し,運動の針路を統一した。「春窮退治,借金退治,借金予防」をスローガンとし,農民の自力更生に重点をおいた運動であったが,同時に小作争議や農民運動を抑圧し,朝鮮民族の「皇民化」政策を強行するための手段ともなった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by