朝日日本歴史人物事典 「近藤長次郎」の解説
近藤長次郎
生年:天保9(1838)
高知城下で饅頭屋を営む商人大黒屋伝次の子。幼より向学心高く,万延1(1860)年,藩士由比猪内の従僕として江戸に上り,儒学を安積艮斎に,洋学を手塚玄海に,砲術を高島秋帆に学び,文久3(1863)年藩庁より学問精励と器量を評価され苗字帯刀,さらに勝海舟の門弟となり神戸海軍操練所にて航海術を修業した。時に坂本竜馬との関係密になり,長崎の亀山社中(のちの海援隊)に投じ,慶応1(1865)年長州(萩)藩のために軍艦・ユニオン号購入を斡旋,長州藩主より報償金を得,同時に英国留学の機会を提供された。社中に諮らずに長崎を出帆しようとしていることが発覚,掟に従い切腹して果てた。<参考文献>吉村淑甫『近藤長次郎』
(福地惇)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報