返・反(読み)かえさう

精選版 日本国語大辞典 「返・反」の意味・読み・例文・類語

かえさ‐・う かへさふ【返・反】

[1] 〘連語〙 (動詞「かへす(反)」の未然形上代の継続・反復の意の助動詞「ふ」の付いたもの) 裏がえして見る。ひっくりかえしておく。
万葉(8C後)一八・四一二九「針袋取り上げ前に置き可辺佐倍(カヘサヘ)ばおのともおのや裏も継ぎたり」
[2] 〘他ハ四〙 ((一)が平安以後一語化したもの)
① 繰り返しながらおしすすめる。重ねてする。
※法華義疏長保四年点(1002)五「今は三び復(カヘサヒ)失を尋ね究むるに」
② ふりかえってみる。反省する。思いなおす。
源氏(1001‐14頃)手習「かくだに思はじ、など、心一つをかへさふ」
③ 相手の不審な点や誤っている点などをおしかえして問いただす。問いかえす。質問する。
※源氏(1001‐14頃)乙女博士のかへさふべきふしぶしを引き出でて、ひとわたり読ませ奉り給ふに」
④ 相手の意向を受け入れないでおしかえす。反論する。反対する。
※源氏(1001‐14頃)行幸「とかく申しかへさふこと、えあらじかし」
⑤ 辞退する。ごめんこうむる。ことわる。
※夜の寝覚(1045‐68頃)五「『いかでか』など、かへさひきこゆべきほどならねば」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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