送行(読み)そうあん

精選版 日本国語大辞典 「送行」の意味・読み・例文・類語

そう‐あん【送行】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あん」は「行」の唐宋音 ) 仏語
  2. 禅門で、僧の行脚(あんぎゃ)に出るのを送ること。転じて叢林を去ること。送別
    1. [初出の実例]「中峯和尚の作られし送行(ソウアン)の偈、誠に由ありと御心に染みて」(出典太平記(14C後)三九)
    2. 「をちの文公に何をかな送行に出と思案せられた」(出典:古活字本毛詩抄(17C前)六)
  3. 陰暦七月一五日、夏安居(げあんご)を終えた僧が自分の寺に帰ること。《 季語・秋 》
    1. [初出の実例]「送行やちりぢりに行く雲と水〈馬随〉」(出典:俳諧・新類題発句集(1793)秋)

そう‐こう‥カウ【送行】

  1. 〘 名詞 〙 人の旅立ちを見送ること。見送り。
    1. [初出の実例]「東風望杳総陽城、可忍怱々此送行」(出典:蕉堅藁(1403)送松上人帰総州)
    2. 「送行の拙詠、なげかじな身は老ぬとも玉くしげ ふたたびあはぬわかれならずば」(出典:小津桂窓宛馬琴書簡‐天保六年(1835)三月二八日)
    3. [その他の文献]〔韓翃‐送陳明府赴淮南詩〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「送行」の読み・字形・画数・意味

【送行】そうこう(かう)

旅する者を見送る。唐・杜甫〔新安の吏〕詩 況(いは)んや乃ち王師の順なるをや 撫、甚だなり 行をるも、泣血すること勿(なか)れ 僕射(ぼくや)(郭子儀、時に左僕射)、兄の如し

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