デジタル大辞泉
「逆進税」の意味・読み・例文・類語
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ぎゃくしん‐ぜい【逆進税】
- 〘 名詞 〙 課税物件が多くなるにつれて、税率の低くなる租税。所得の高い層ほど税負担が相対的に低くなる。間接税など。〔袖珍新聞語辞典(1919)〕
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逆進税
ぎゃくしんぜい
regressive tax
ある租税の負担者の所得に対するその租税負担額の割合が,所得が上昇するにつれて低下するような性質の租税をいう。たとえば生活必需品に一定税率の物品税が賦課された場合に,形式的に考えれば課税標準となるその物品の量または価額に対する課税率は一定であるので,この税は比例税であるといえる。しかし実際には,生活必需品の消費は所得の上昇に比例してふえるわけではなく,消費者の家計の所得に対する物品税の負担額の割合 (負担率) を考えると,低所得者に重く,所得の上昇に伴って低下するものと考えられる。このため生活必需品に対する間接税は逆進税とみなされる。 (→累進税 )
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逆進税
ぎゃくしんぜい
regressive tax
課税標準が大きくなるにつれて税率が低くなっていく仕組みの租税。累進税に対する語。現在のわが国の税制上は逆進税は存在しないが、定額税や生活必需品に対する間接税は、所得が高い者も低い者も同じ税額を負担することになり、所得額が高くなるほどそのなかに占める課税額の割合はしだいに減少していくので、逆進的性格をもっているといえる。
[一杉哲也]
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逆進税
課税標準が増加するほど、つまり課税対象の額が大きくなるほど税率が低くなっていく税のこと。所得税や相続税でとられている累進税の逆の仕組みで、「累退税」や「累減税」とも呼ばれる。逆進税は日本の税制上は存在しないが、所得の高低に関係なく課税率が一定である消費税においては、高所得者ほど所得に対する課税額の割合が低くなるため、事実上は逆進税であるという見方もある。
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世界大百科事典(旧版)内の逆進税の言及
【累進税・逆進税】より
…租税は主として課税標準と税率により規定されるが,課税標準の増大に伴って税率が上昇する税を累進税といい,課税標準の増大とともに税率の低下するような税を逆進税という。納税者の租税負担能力は今日では主として所得にあると考えられているが,累進税や逆進税も,一般的には所得に対する租税負担額の割合が所得の増大に伴って上昇するか低下するかによって定義する。…
※「逆進税」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」