通屈(読み)ツウクツ

デジタル大辞泉 「通屈」の意味・読み・例文・類語

つう‐くつ【通屈】

相談すること。話をつけること。かけあい。
「惣兵衛と―いたし、茨木屋をば私請合ひ」〈浄・淀鯉
連絡を取り合うこと。共謀すること。
今夜手番てつがひ―は、私が配偶つれあひ太夫殿の妹御」〈浄・応神天皇
男女が情を通じ合うこと。
「忍ぶ手筈か出合ひ宿、―するに極まった」〈伎・名歌徳〉
工面すること。算段すること。
「いろいろ―しての…やうやう五両とそして外に一両二分もらったが」〈洒・辰巳婦言

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「通屈」の意味・読み・例文・類語

つう‐くつ【通屈】

〘名〙
① 十分に相談すること。話をつけること。かけあい。談判。通口(つうくち)
高野山文書‐応永二六年(1419)八月九日・集合評定事書案「所詮今度御集会者、三所其外葬家衆、無通屈之儀、被見参
② 他に連絡をとって通謀すること。共謀すること。
浄瑠璃・応神天皇八白旗(1734)一「今夜の手番ひつうくつは〈略〉、浅香殿がお供して、暮れると否やお出の筈」
③ 男女が情を通じあうこと。情通。
※浄瑠璃・本田善光日本鑑(1740)二「門の外にわしを日半(ひなか)程待せて内でのつうくつ」
④ 算段すること。工面(くめん)すること。
※評判記・戯作評判花折紙(1802)上「物事算段工面するに 俗是をつうくつするといふ」
賄賂(わいろ)
和英語林集成再版)(1872)「通窟〈略〉 Tsūkutsu(ツウクツ)ヲ ハラウ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android