通鑑綱目(読み)ツガンコウモク(その他表記)Tōng jiàn gāng mù

関連語 三浦

改訂新版 世界大百科事典 「通鑑綱目」の意味・わかりやすい解説

通鑑綱目 (つがんこうもく)
Tōng jiàn gāng mù

中国,司馬光の《資治通鑑》を独自の観点から再編成した歴史書。全59巻。著者は南宋朱熹(しゆき)(子)であるが,実際は朱熹の構想に基づいて門人趙師淵が編纂したといわれる。綱(大綱)と目(細目)から成り前者は《春秋》にならって毀誉褒貶(きよほうへん)の意を寓し,後者は《左氏伝》にならって事実を具体的に述べる。三国の魏に代えて蜀を正統にするなど,《資治通鑑》が事実と現実を重視するのに対して義理を尊重している。
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世界大百科事典(旧版)内の通鑑綱目の言及

【本朝通鑑】より

…62年修史継続の命が徳川家綱から羅山の子鵞峰に下り,64年から忍岡林邸内の国史館で作業が開始され,《本朝編年録》の稿本を復元校勘して正編とし,続編を林梅洞,林鳳岡,人見友元,坂井伯元らが分担起草し,鵞峰が統轄して完成し幕府に献上した。中国の《資治通鑑(しじつがん)》を模範にし,《通鑑綱目》を参考とし,事実を直叙して後代の鑑戒とすることを目ざした。幕府の援助もあって豊富な史料に基づき,史実の考証,異説の併載や俗伝,異聞の紹介もある。…

※「通鑑綱目」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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