…道貞と別れたころ,山城の貴布禰社に参籠した式部が,夫が戻るように祈る歌を詠んだところ,貴布禰明神の慰めの歌が聞こえたという説話が《無名抄》《古本説話集》その他にあるが,神をも動かすような歌の作者としての説話は少なくない。また,藤原道綱の子で好色の僧道命阿闍梨が,式部のもとへ通ったという《宇治拾遺物語》の説話をはじめ,式部は種々の恋愛譚に登場する。さらに,小式部内侍に先立たれて悲しみにくれる話は《宝物集》以下多くの説話集に見え,病む小式部が母のために命ながらえたいと祈ったところ,一度は病が治ったという《十訓抄》などの話とともに,母と娘の愛情の話として語られた。…
※「道命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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