ほろほろ(読み)ホロホロ

デジタル大辞泉の解説

ほろ‐ほろ

[副]
葉や花、涙などが静かにこぼれ落ちるさま。はらはら。「山吹の花びらがほろほろと散る」「ほろほろ(と)涙を流す」
山鳥などの鳴く声を表す語。「山鳥がほろほろ(と)鳴く」
力を入れなくても、ばらばらになるさま。「口の中でほろほろ(と)崩れる」
大勢の人が出て行くさま。
「修法(ずほふ)の壇こぼちて―と出づるに」〈・夕霧〉
物が裂け破れるさま。
「綻(ほころ)びは―と絶えぬ」〈・紅葉賀〉
歯でかんで食べる音を表す語。
「栗などやうのものにや、―と食ふも」〈宿木

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大辞林 第三版の解説

ほろほろ

( 副 )
涙が、こぼれ落ちるさま。 「 -(と)涙が落ちる」 「暫時しばしは頭も得あげず、涙を-こぼして居たが/酒中日記 独歩
きじや山鳥などの鳴く声を表す語。 「 -(と)鳴く」
木の葉や花などの散るさま。はらはら。 「山吹が-(と)散る」 「黄なる葉どもの-とこぼれ落つる、いとあはれなり/枕草子 199
人の分かれ散るさま。ばらばら。 「修法の壇こぼちて-と出づるに/源氏 夕霧
物がもろくやぶけるさま。 「とかくひきしろふほどに、ほころび、-と絶えぬ/源氏 紅葉賀
ものを食べる音を表す語。ぽりぽり。 「二人して栗やなどやうのものにや、-と食ふも/源氏 宿木
日のたけるさま。 「かくて日も-とたけて/父の終焉日記」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ほろほろ
ほろほろ

ウコギの新芽を用いた岩手地方の郷土料理。この地方にはウコギの生け垣を巡らした家が多い。新芽が食用になるため、この垣根は救荒作物の役割をしたといわれる。ほろほろは、ウコギの新芽をゆでて水にさらし(苦味(にがみ)があるので)、細かく刻んで、みそ漬け大根とクルミも細かく刻み、混ぜ合わせる。赤唐辛子のみじん切りと炒(い)りごまを加えて味をととのえ、熱いご飯にかけて食べる。昔、南部藩の武士がこれを食べようとして、ほろほろこぼしたことから、この名がついたという。[堤 方子]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ほろ‐ほろ

〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① 葉や花などが散ったり落ちたりするさまを表わす語。
※枕(10C終)一九九「きなる葉どものほろほろとこぼれおつる」
② 涙や水滴などがこぼれ落ちるさまを表わす語。また、激しく泣くさまを表わす語。
※蜻蛉(974頃)上「又ほろほろとうち泣きていでぬ」
③ 集まっていた人々が分かれ散るさまを表わす語。
源氏(1001‐14頃)若菜下「さるべき限りこそまかでね、ほろほろと騒ぐを」
④ 物が裂け破れるさま、こなごなになるさまを表わす語。ぼろぼろ。
※源氏(1001‐14頃)宿木「栗やなどやうの物にや、ほろほろと食ふも」
⑤ 雉子(きじ)、山鳥などの鳴く声を表わす語。ほろろ。
※源賢集(1020頃)「御狩野に朝たつきじのほろほろと鳴きつつぞふる身を恨みつつ」
(きぬた)を打つ音を表わす語。
※歌謡・閑吟集(1518)「衣々の、砧の音が、枕にほろほろほろほろとか、それをしたふは、涙よなふ」

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