朝日日本歴史人物事典 「道尊」の解説
道尊
生年:安元1(1175)
鎌倉前期の真言僧で,仁和寺御流の一派安井御流の祖。安井宮御室と号す。以仁王の子。以仁王が平氏打倒に挙兵したさい道尊は6歳であり,平宗盛の命乞いによって赦免され,叔父仁和寺守覚法親王の室に入って出家する。建久4(1193)年11月4日に伝法灌頂 を受ける。同年10月には一身阿闍梨となり,蓮華光院(安井門跡,京都市右京区にあった)を開く。建永1(1206)年3月に東大寺(奈良市)別当,承元1(1207)年7月に東寺長者,法務,護持僧となり,同12月には仁和寺座主となる。承久2(1220)年に病気となり,一時諸職を辞するも,回復後,諸職に復した。<参考文献>栂尾祥雲『秘密仏教史』
(松尾剛次)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報