法親王(読み)ホウシンノウ

デジタル大辞泉 「法親王」の意味・読み・例文・類語

ほう‐しんのう〔ホフシンワウ〕【法親王】

出家したのちに、親王宣下せんげを受けた皇子。ほっしんのう。

ほっ‐しんのう〔‐シンワウ〕【法親王】

ほうしんのう(法親王)

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精選版 日本国語大辞典 「法親王」の意味・読み・例文・類語

ほう‐しんのうホフシンワウ【法親王】

  1. 〘 名詞 〙 出家後、親王を賜わった皇子の称。ほっしんのう。
    1. [初出の実例]「入道親王依召参候、〈略〉法親王依仰弾和琴」(出典北山抄(1012‐21頃)二)

ほっ‐しんのう‥シンワウ【法親王】

  1. 〘 名詞 〙ほうしんのう(法親王)
    1. [初出の実例]「入道殿をば法親王(ホッシンワウ)と仰たてまつりて」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)

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改訂新版 世界大百科事典 「法親王」の意味・わかりやすい解説

法親王 (ほうしんのう)

出家した皇族を表す呼称。〈ほっしんのう〉ともいう。古く古人大兄皇子大海人皇子の例があるが,平安時代に入ると,平城天皇の皇子高岳(たかおか)親王が,薬子の変により皇太子を廃されて出家し,真如と号したのをはじめ,皇族の出家の例が増加する。出家した親王に対する称呼としては,禅師親王や法師親王などの例があるが,このほかに法親王あるいは入道親王の称がある。通説では,法親王は出家した後親王宣下を受けた親王をいい,入道親王は親王宣下を受けた後に出家した親王をいうとされている。また《初例抄》等によると,入道親王の初例は三条天皇の皇子師明親王で,仁和寺に入って性信入道親王と称し,法親王の初例は白河天皇の皇子で,仁和寺に入った後親王宣下を受けた覚行法親王とされている。しかし同一人を法親王あるいは入道親王と称した例もあり,広く出家した親王の意に用いられた場合も少なくない。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「法親王」の意味・わかりやすい解説

法親王(ほうしんのう)
ほうしんのう

出家した親王の意。出家後に親王となった皇子をいい、その住寺を宮門跡(みやもんぜき)という。親王が出家したのを入道親王というのに対する。日本では古くから皇室の仏教帰依(きえ)が深く、そのため出家した皇子も多かったが、その最初は、1099年(康和1)に白河(しらかわ)天皇の皇子覚行阿闍梨(かくぎょうあじゃり)に親王の宣下(せんげ)があったことにある。

[平井俊榮]


法親王(ほっしんのう)
ほっしんのう

法親王

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「法親王」の解説

法親王
ほうしんのう

「ほっしんのう」とも。当初は,出家した親王の一般的呼称の一つであったが,1099年(康和元)すでに仁和寺で出家をとげていた白河上皇第3皇子の覚行(かくぎょう)が親王宣下をうけて法親王と称して以後,親王が出家した入道親王に対して,出家後に親王宣下をうけた場合を法親王といい,区別するようになった。僧籍にある孫王が親王宣下をうけたような特殊な場合もある。しかしこの区別も,時代をへるにしたがい曖昧になった。


法親王
ほっしんのう

法親王(ほうしんのう)

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百科事典マイペディア 「法親王」の意味・わかりやすい解説

法親王【ほうしんのう】

出家した皇族の称。〈ほっしんのう〉とも。平安時代になると皇族の出家が多くなる。白河天皇の皇子覚行が出家後親王宣下を受けて法親王と呼ばれた。法親王は出家したのち親王宣下を受けた親王,その逆は入道親王と称するとされるが,同一人を法親王・入道親王と称した例もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法親王」の意味・わかりやすい解説

法親王
ほうしんのう

出家以後,親王宣下 (せんげ) をこうむった皇親をいう。「ほっしんのう」ともいう。白河院皇子覚行法親王 (仁和寺御室) が初例。ただし,孫王法親王の例もある。明治維新でこの称号は廃止された。 (→入道親王 )

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世界大百科事典(旧版)内の法親王の言及

【入道】より

…僧侶の社会で中心となり,寺院組織の中核となる者は,幼いときに寺に入り,成年に達するころに正式に僧侶となるのが一般であったから,元服していったん俗世間に出た後に出家して僧体となった人々は,僧侶の中でも別に考えられ,そのなかで身分の高い人々を入道と呼んだのである。一般に皇子の中で親王の身分を認められた人が出家した場合,その人を入道親王と呼び,さきに出家していた皇子が親王の宣下を受けた場合には法親王と呼んで,両者を区別したことにもそのことがあらわれている。中世に入ると,一度世俗で活動した後に出家する人々が増加し,武家として活動した後に出家の姿になった者も入道と呼ばれるようになった。…

※「法親王」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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