日本大百科全書(ニッポニカ) 「「選択する未来」委員会」の意味・わかりやすい解説
「選択する未来」委員会
せんたくするみらいいいんかい
内閣府の経済財政諮問会議の下に設置された専門調査会。50年後の日本をよくするために、さまざまな分野横断的な問題を発掘し、打開に向けて方向性を提示するための委員会であった。2014年(平成26)1月に発足し、同年11月に終了した。同委員会で議論され、分析が行われた問題や課題は、経済財政諮問会議で取り組む戦略的課題の裏付けとして活用。委員会の名称は、今後半世紀に世界経済に占める日本経済の規模が縮小していくという見方を、政策努力や人々の意思によって変え、現状のままの見方とは違う「未来を選択する」という意思を表したものである。会長は日本商工会議所会頭の三村明夫(1940― )で、会長を含めた民間委員9名で構成された。
2014年5月に発表された議論の中間整理では、日本の人口急減・超高齢社会という現状のままの未来像を転換させるために、早急に経済低迷から脱却すると同時に、出産や子育てへの政府の支援を倍増させることなどにより、50年後に総人口1億人維持という安定した人口構造の保持を目ざすという報告をまとめた。中間報告の内容は同年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2014」(骨太の方針)に反映された。
[編集部 2019年12月13日]