家庭医学館 「遺伝子を構成するDNA」の解説
いでんしをこうせいするでぃーえぬえー【遺伝子を構成するDNA】
細胞には、23の対(つい)をなした合計46個の染色体(せんしょくたい)が並んでいます。この染色体の中心をなしているのは、DNA(デオキシリボ核酸(かくさん))とRNA(リボ核酸)で、DNAの上には、その細胞の性質、形、増殖数などを決定する情報(設計図)が規則正しく並んでいます。この情報はRNAに写し取られ(転写)、翻訳(ほんやく)(合成)されて、細胞分裂によって新しくつくられる次代の細胞に伝えられます。この設計図が、遺伝子と呼ばれるものです。
新しい細胞は、この遺伝子に基づいてつくられるので、古い細胞をそっくりコピーした格好になっています。
●遺伝子の構成
もう少し詳しく説明すると、1個の細胞には、約30億個のDNAがあり、約10万個の遺伝子があるといわれます。DNAには、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種があって、「CAGATCCGA」などのように、一見、アトランダムに並んでいます。この配列のうち、たんぱく質をつくる情報を伝達するDNAの配列(設計図)が遺伝子で、3個1組となって、約1000個のDNAで構成されています。
このDNA配列に障害が生じて、がん遺伝子に変わる前のプロトがん遺伝子が誕生すると考えられています。
なお、30億個のDNAのうち遺伝子を構成するDNAは約2億個(6.6%)。残りの約93%のDNAの配列は、どんな役割を担っているか、わかっていません。