ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「郷吏」の意味・わかりやすい解説
郷吏
きょうり
hyangri
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…【梅原 郁】
[朝鮮]
唐・宋以後の中国と同様に朝鮮でも,正規の官僚任用法によらない下級の役人を胥吏と呼び(吏属,衙前ともいう),非常に古くから存在していたと思われるが,統一新羅期までの実態は不明である。高麗時代には地方の行政実務を担当した郷吏と呼ばれるものが存在し,国家の官僚ではなかったが,彼らは統一新羅末期に台頭した地方豪族の後裔であり,地方の権力者であったから,本来の胥吏の概念にはなじまない。しかし高麗の官僚制が整備されていくにつれて,郷吏の一部は官僚となり,残った郷吏の地位はしだいに低下していった。…
…15世紀前半は旧勢力との争いがなおも続いたが,1469年には《経国大典》を公布し,支配体制を整えた。議政府,三司をはじめとする中央官制のほか,地方制度も整備され,特に地方では各邑(郡県)が地方豪族を基盤とした高麗時代のありかたから,行政面を重視した方向へ編成替えされたのをはじめ,郷吏(地方豪族)の地位も低下させられ,面里制や隣保制(五家統制),号牌法の実施などを通して,中央政府による地方への直接支配が強められた。しかし他方,在地勢力(地方の地主層)に対しては,科挙を通じて両班官僚に登用するなどしながら国家の支配機構の支柱に組み込む政策をとり,このようにして李朝は両班を中核とする中央集権的な官僚支配体制を築いた。…
※「郷吏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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