都指揮使(読み)としきし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「都指揮使」の意味・わかりやすい解説

都指揮使
としきし

中国、明(みん)代、各省の最高軍事機関である都指揮使司(通称都司)の長官。都指揮使は衛所を統率し、一省の行政をつかさどる布政使監察をつかさどる按察使(あんさつし)と並立した。上は五軍都督府(ごぐんととくふ)、兵部に隷属し、その下には都指揮同知、都指揮僉事(せんじ)などの各官が置かれた。

[川越泰博]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「都指揮使」の意味・わかりやすい解説

都指揮使
としきし
du-zhi-hui-shi; tu-chih-hui-shih

中国,明の一省の軍政を司る官。洪武帝は初め都衛指揮使司 (都衛) をおいて地方の軍事を統轄させたが,洪武8 (1375) 年に 13の都指揮使司 (都司) と3行都指揮使司 (行都司) に改めた。のち都司の数は 16となった。都指揮使はその長官で衛所を統率し,中央の五軍都督府に属した。布政使 (行政) ,按察使 (司法) と並立して三司と称した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「都指揮使」の解説

都指揮使(としきし)

明代の地方三司一つである都指揮使司の長官。中央の五軍都督府に属して地方の軍政を管轄し,衛所を統轄した。明後半には十六都指揮使司,五行都指揮使司が置かれた。

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旺文社世界史事典 三訂版 「都指揮使」の解説

都指揮使
としきし

明代の地方軍政長官
洪武帝は各省ごとに都指揮使司を置いて衛所を統括し,その長官を都指揮使として五軍都督府に所属させた。

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