都甲八幡社(読み)とごうはちまんしや

日本歴史地名大系 「都甲八幡社」の解説

都甲八幡社
とごうはちまんしや

[現在地名]豊後高田市築地

都甲川中流域右岸にある。旧郷社、祭神は応神天皇ほか四柱。天智天皇三年直頂閑部という者が中村の若竹なかむらのわかたけ山に社殿造営、都甲一〇ヵ村の産土神として祀ったと伝える。養老年間(七一七―七二四)長岩屋の天念ながいわやのてんねん寺座主藤原熊麿は壮麗な殿宇神宮じんぐう寺・未動寺の二ヵ寺を建立国東くにさき郡内真玉またま(現真玉町)伊美いみ(現国見町)両子ふたご(現安岐町)などおよそ一〇〇ヵ村の宗廟として尊崇、領主は神領を寄進したという。延長二年(九二四)九月宇佐宮司を迎えて神幸を行った。天正年間(一五七三―九二)大友氏の兵火にかかり、本社・神宮寺・未動寺および古文書・什器など焼失。宝暦年間(一七五一―六四)一〇〇ヵ村の氏子が神社の馬場で大争闘を起こし村人が分裂、荒尾あらお築地ついじ松行まつゆき新城しんじよう払田はらいだのみの氏神として明治を迎えた(西国東郡誌)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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