家庭医学館 「酒(赤ら顔/赤鼻)」の解説
しゅさあからがおあかはな【酒(赤ら顔/赤鼻) Rosacea】
鼻の頭、頬(ほお)、額(ひたい)の毛細血管(もうさいけっかん)が拡張して、皮膚が赤くなるものです。程度は4段階あります。
■第1度(紅斑性酒(こうはんせいしゅさ)
毛細血管の拡張と、びまん性の潮紅(ちょうこう)がみられます。冷たい風にあたったり、寒い戸外から暖かい室内に入ったり、飲酒をしたときに、鼻の頭、頬、額が赤くなり、ほてりを感じます。
■第2度(酒性痤瘡(しゅさせいざそう))
第1度に、にきびのような丘疹(きゅうしん)、面皰(めんぽう)、膿疱(のうほう)が生じる状態です。
■第3度(鼻瘤(びりゅう))
鼻がこぶ状に盛り上がって赤鼻となり、皮脂(ひし)が出て毛孔(もうこう)が開き、表面がでこぼこになります。
■第4度
第3度に、結膜炎(けつまくえん)、角結膜炎(かくけつまくえん)などの目の症状が加わった状態です。
[原因]
遺伝体質、わずかな温度差でも血管が拡張する血管運動神経の障害、脂漏(しろう)がおもな原因です。飲酒や胃腸の不調は誘因となります。
[治療]
酒類、香辛料(こうしんりょう)、コーヒー、チョコレートなどの摂取をひかえます。便秘に気をつけ、脂漏をとるため、石けんでよく洗顔しましょう。薬用石けんを使う必要はありません。
症状がひどいときは、ビタミンB2の内服や注射、小さなメスで拡張した毛細血管を電気分解したりします。