ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「酸素効果」の意味・わかりやすい解説 酸素効果さんそこうかoxygen effect 放射線照射の効果は,組織細胞内の酸素の量に左右される。これを酸素効果と呼ぶ。放射線の効果は無酸素状態でも発揮されるが,酸素量の増加とともに大きくなり,約3倍までになる。酸素効果は,X線,γ線,電子線など,単位飛程あたりに失うエネルギーの少い放射線では著明で,中性子線やα線のようにエネルギー損失の大きい放射線では低い。そのため,周辺の正常細胞に比して低酸素状態にある癌細胞での,中性子線の効果が期待されている。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by
法則の辞典 「酸素効果」の解説 酸素効果【oxygen effect】 ハロゲン化水素の二重結合に対する付加反応において,臭化水素の付加の場合に酸素の存在によってマルコフニコフ則とは逆の付加が起こることが1933年に漆原義之によって発見された.後にKharaschによって,酸素以外に過酸化物によっても同じような逆の付加が起こることが明らかにされた. 酸素効果【oxygen effect】 細胞の放射線に対する感受性が,酸素濃度の高い場合に大きくなり,逆に酸素濃度が低い場合には低下する現象をいう. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報 Sponserd by