重し(読み)オモシ

デジタル大辞泉 「重し」の意味・読み・例文・類語

おもし【重し/重石】

形容詞「おも(重)し」の終止形から》
物を押さえつけるために置くもの。おし。「辞書を―にする」
人を押さえ鎮める力。また、その力をもっている人。「若輩で―がきかない」
はかりのおもり。
[補説]後世「おもいし」の音変化と意識されて「重石」の字を当てる。
[類語]重り

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「重し」の意味・読み・例文・類語

おもし【重・重石】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形容詞「おもし」の終止形の名詞化。後世、「し」を「いし(石)」の略と考えるようになった )
  2. 物を押えつけるために置くもの。おし。おもせ。とくに漬物石をいうことがある。
    1. [初出の実例]「かく蛇の身をうけて石橋の下に多くの年をすぐしてわびしと思ひゐたるほどに、昨日おのれがおもしの石をふみ返し給しにたすけられて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)四)
  3. 人々を押えしずめて、国家、集団、家などを治めていく威力。また、それを持っている人物。重鎮。柱石。おもせ。重し人(びと)
    1. [初出の実例]「世のおもしとものし給へる大臣(おとど)の」(出典源氏物語(1001‐14頃)賢木)
  4. (はかり)のおもり。〔十巻本和名抄(934頃)〕

おも・し【重】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙おもい(重)

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