重い(読み)オモイ

デジタル大辞泉 「重い」の意味・読み・例文・類語

おも・い【重い】

[形][文]おも・し[ク]
目方が多い。力を入れないとそのものを支えたり動かしたりできない。「―・い本」「からだが2キロ―・くなった」「坂道で自転車のペダルが―・い」⇔軽い
動きが鈍い動作がてきぱきとしない。軽快なところがない。「腰が―・い」「口が―・い」「まぶたが―・い(=眠い)」⇔軽い
心が晴れ晴れとしない。気分がさっぱりしない。「気分が―・い」「頭が―・い」⇔軽い
物事の程度がはなはだしい。
㋐容易でない。深刻である。「―・い病気」「罪が―・い」⇔軽い
㋑意味が大きい。重要である。重大である。「―・い任務」「事を―・く見る」⇔軽い
味が濃厚である。量が多く食べごたえがある。「―・いワイン」「朝からカツ丼は―・い」
競馬で、競走馬の体重が理想体重より多い。また、馬場状態降雨などで悪い。
囲碁で、石の手割り上の価値が大きく、捨てにくい。
将棋で、駒の働きが重複している。
コンピューターの動作が遅い。コンピューターの性能に比べて負荷が大きいソフトウエアを動かす時などに、命令処理に要する時間が余計にかかるさまをさす。「動作が―・いブラウザー」⇔軽い
10 態度性質に軽率なところがない。重厚である。
「物深く―・き方はおくれて、ひたぶるに若びたるものから」〈夕顔
[派生]おもげ[形動]おもさ[名]おもみ[名]
[下接句]頭が重い気が重い口が重い腰が重いしりが重い荷が重い
[類語]重さ重み重たい重重しい重量持ち重りずしりヘビー

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「重い」の意味・読み・例文・類語

おも・い【重】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]おも・し 〘 形容詞ク活用 〙 目方が多い状態、また重量のある状態を表わす。転じて、身分、性質、動作、気持などについて、程度のはなはだしい状態を表わす場合に広く用いる。⇔軽い
  2. 目方が多い。重量がある。
    1. [初出の実例]「重(ヲモク)(にご)れるものは、淹(しつみ)(とも)りて地(つち)と為(な)るに及びて」(出典:日本書紀(720)神代上(水戸本訓))
  3. (病気など)物事の程度がはなはだしい。なみなみでない。容易でない。重大である。
    1. [初出の実例]「吾が罪過必ず重(オモカラ)むものを」(出典:日本書紀(720)継体二四年九月(前田本訓))
    2. 「月ごろ風病(ふびゃう)おもきにたへかねて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
  4. 身分が貴い。地位が高い。家柄がしっかりしている。家門に格式がある。また、勢力がある。価値が高い。
    1. [初出の実例]「貴き家より生れ、重き位に備はりたりしかど」(出典:観智院本三宝絵(984)序)
  5. 尊い。大切である。必要である。重要である。
    1. [初出の実例]「世におもく思はれ、人にゆるされたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    2. 「人の生命は如何にも重い」(出典:逆徒(1913)〈平出修〉)
  6. 態度や性質が落ち着いている。軽率でない。おもおもしい。慎重なさまである。
    1. [初出の実例]「ざえもあり、心もいとかしこくおもし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    2. 「重い男の声で」(出典:最後の旅(1969)〈加賀乙彦〉)
  7. 気持がはればれとしない。沈んでいる。浮き立たない。ふさいでいる。
    1. [初出の実例]「重い顔して御勘当様に逢ふ太夫」(出典:雑俳・水加減(1817))
  8. 動き、働きが鈍い。動作がおっくうである。てきぱきしない。生彩がない。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「力なく、五体もをもく耳も遅ければ」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)七)
  9. 相場が上がりそうで上がらない。〔新聞語辞典(1933)〕
  10. 囲碁で、石の手割り上の価値が大きくて捨てにくい。また、さばきにくい。
  11. 将棋で駒の働きが重複している。
  12. 競馬での用語。
    1. (イ) 競走馬の体重がその馬の理想体重より重い。
    2. (ロ) 雨などで馬場が悪化している。

重いの派生語

おも‐が・る
  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙

重いの派生語

おも‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

重いの派生語

おも‐さ
  1. 〘 名詞 〙

重いの派生語

おも‐み
  1. 〘 名詞 〙

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IT用語がわかる辞典 「重い」の解説

おもい【重い】

コンピューターを操作しているときに、その動作や反応が遅く感じられる様子。⇔軽い ◇コンピューターの性能に比べてアプリケーションソフトの負荷が大きかったり、コンピューターネットワーク帯域幅に比べてデータ通信の容量が多かったりすると、処理や通信にかかる時間が長くなるため、動作が鈍重に感じられることから。

出典 講談社IT用語がわかる辞典について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「重い」の解説

重い

あるソフトウェアやネットワークを利用しているコンピューターシステムにおいて、処理やレスポンスに時間がかかる状態にあること。CPUに大きな負担をかける処理を行った場合などに起こる。逆を軽いという。

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