重粒子(読み)じゅうりゅうし

精選版 日本国語大辞典 「重粒子」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐りゅうし ヂュウリフシ【重粒子】

〘名〙 素粒子うち核子およびそれより質量の重いスピン半奇数の素粒子総称陽子中性子・ラムダ粒子・シグマ粒子・グザイ粒子など。バリオン

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デジタル大辞泉 「重粒子」の意味・読み・例文・類語

じゅう‐りゅうし〔ヂユウリフシ〕【重粒子】

バリオン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「重粒子」の意味・わかりやすい解説

重粒子
じゅうりゅうし

核子数がゼロでない素粒子の総称で、バリオン(ギリシア語で重い粒子の意)ともよばれる。素粒子に対する知見が不十分なころの分類法に由来している。陽子・中性子は電子の約2000倍の質量があるが、陽子・中性子と同程度またはそれ以上の質量の粒子を重粒子、電子のように軽い粒子を軽粒子レプトン)、中間の質量のものを中間子メソン)と名づけた。今日でもこれらの名前は使われているが、重粒子はこの組の代表的素粒子であった陽子・中性子の特徴的性質(強い相互作用を行い核子数がゼロでない)をもっている素粒子をさすときに使われる。中間子は強い相互作用を行い核子数がゼロのものを表す。軽粒子は強い相互作用を行わない。また、重粒子と中間子をあわせた呼称として、ギリシア語で強い粒子を意味するハドロンが使われる。1960年代に入り、高エネルギー粒子加速器により次々とハドロンが発見され、今日では数百も知られている。このように多く存在する重粒子・中間子が物質の基本要素としての「素」粒子とは考えがたい。実際その後の研究から、重粒子は、クォークとよばれる粒子の3体の結合状態であり、中間子はクォークと反クォークの結合状態であることが明らかとなった。

益川敏英

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百科事典マイペディア 「重粒子」の意味・わかりやすい解説

重粒子【じゅうりゅうし】

バリオン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「重粒子」の意味・わかりやすい解説

重粒子
じゅうりゅうし

バリオン」のページをご覧ください。

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世界大百科事典内の重粒子の言及

【バリオン】より

…重粒子ともいう。強い相互作用をもつハドロンのうち,バリオン数(素粒子の種類によって決まる量の一つ)1,半整数スピンのものをバリオンと呼ぶ。…

※「重粒子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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