核子数がゼロでない素粒子の総称で、バリオン(ギリシア語で重い粒子の意)ともよばれる。素粒子に対する知見が不十分なころの分類法に由来している。陽子・中性子は電子の約2000倍の質量があるが、陽子・中性子と同程度またはそれ以上の質量の粒子を重粒子、電子のように軽い粒子を軽粒子(レプトン)、中間の質量のものを中間子(メソン)と名づけた。今日でもこれらの名前は使われているが、重粒子はこの組の代表的素粒子であった陽子・中性子の特徴的性質(強い相互作用を行い核子数がゼロでない)をもっている素粒子をさすときに使われる。中間子は強い相互作用を行い核子数がゼロのものを表す。軽粒子は強い相互作用を行わない。また、重粒子と中間子をあわせた呼称として、ギリシア語で強い粒子を意味するハドロンが使われる。1960年代に入り、高エネルギー粒子加速器により次々とハドロンが発見され、今日では数百も知られている。このように多く存在する重粒子・中間子が物質の基本要素としての「素」粒子とは考えがたい。実際その後の研究から、重粒子は、クォークとよばれる粒子の3体の結合状態であり、中間子はクォークと反クォークの結合状態であることが明らかとなった。
[益川敏英]
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