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軽粒子ともいう。電子,μ粒子,τ粒子およびそれぞれに対応する中性微子(電子ニュートリノ,μニュートリノ,τニュートリノ)の総称。さらに第4,第5の組も存在する可能性がある。これらの粒子はいずれもフェルミ粒子で,スピンは1/2,強い相互作用をしないという性質をもっている。とくに中性微子は電気的にも中性で,その相互作用は重力相互作用と弱い相互作用に限られる。現在までのところ電子数,μ粒子数,τ粒子数は中性微子を考慮に入れて独立に保存する量であり,たとえばμ→e+γのような過程は観測されていない。しかしながらこのような過程の存在は理論的にはあり得るものであり,これらの量の和としてのレプトン数(反粒子の場合は-1と定める)も厳密には保存していないことが考えられる。τ粒子の質量は約1.8GeVで電子の0.5MeV,μ粒子の120MeVに比べて極端に重い。その存在は1975年,電子と陽電子の衝突によるτ粒子とその反粒子の対生成によって明らかにされ,さらにτ粒子とその反粒子が合体して崩壊する過程でτニュートリノが生ずることも発見された。なお,レプトンの名称はギリシア語のleptos(薄い,小さい)にちなんで軽い粒子の意味でつけられたものであるが,これはτ粒子が発見されるまではいずれも質量が核子よりも小さかったためである。
執筆者:菅原 寛孝
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
弱い相互作用,電磁相互作用をする素粒子.バリオンに対して,質量が軽いことから軽粒子ともいう.スピン1/2.フェルミ統計に従う.電子,電子ニュートリノがもっとも普通のレプトン.(電子 e-,電子ニュートリノ νe)を第一世代,(ミューオンμ,ミューニュートリノ νμ)を第二世代,(タウオンτ,タウニュートリノ ντ)を第三世代とよぶ.電子,ミューオン,タウオンは電荷-1.質量はそれぞれ0.511,105.6,1777 MeV.ニュートリノはいずれも無電荷.これら6粒子に加えてそれぞれの反粒子が存在する.語源はギリシア語の“小さい”を意味する言葉λεπτζに由来する.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
「クオーク」のページをご覧ください。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
…さらに高いエネルギー領域については,山上や地上の広大な面積に多数のシンチレーションカウンターやその他の計数管を散在させた装置で,拡大空気シャワーとして降ってくる105~1010個の荷電粒子の観測を行い,超高エネルギー核相互作用の特性についての究明が行われている。また,レプトンについても,μ粒子の寿命は2.15×10-6秒であるが,高エネルギーでは相対論的効果によって寿命が延び遠方まで到達するので,電磁石スペクトロメーターによる運動量と正負の荷電比の測定,カロリーメーターによる相互作用の測定,地下約1万m水深相当(m.w.e.と表示する)までの深さと強度の関係などが観測されている。地下深部では宇宙線強度も弱いので,希少現象の中性微子相互作用の観測もなされている。…
…この強い力は,10-13cmという非常に小さい距離でのみ強く働いて,それを越えると非常にはやく減少するという特徴をもつ。さて,素粒子をこの相互作用とのかかわりによっておおまかに分けてみると,ハドロン(強粒子),レプトン(軽粒子),フォトンの3種類になる。ハドロンは強い相互作用をするのが特徴であるが,電磁相互作用や弱い相互作用もする。…
※「レプトン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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