野上行宮跡(読み)のがみのかりみやあと

日本歴史地名大系 「野上行宮跡」の解説

野上行宮跡
のがみのかりみやあと

壬申の乱に際して大海人皇子の本営として設けられた仮宮。所在地については諸説あるが、野上に比定するのが妥当であろう。「日本書紀」天武天皇元年(六七二)六月二七日条に「天皇、に、行宮を野上に興して居します」とみえる。壬申の乱の初動に際し、大和吉野より伊勢桑名に入りその郡家に宿った大海人皇子に対し、その前日美濃国不破に派遣して軍事を監せしめた高市皇子よりの使者が「御所に遠り居りては、政を行むに便もあらず、近き処に御すべし」と奏したのにこたえて大海人皇子は不破郡にその本営を移し、行宮を構えたのである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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