野迫川(読み)のせがわ

改訂新版 世界大百科事典 「野迫川」の意味・わかりやすい解説

野迫川[村] (のせがわ)

奈良県南西部,吉野郡の村。人口524(2010)。紀伊山地の北側斜面,十津川上流域にあり,西は和歌山県と接する。伯母子岳(1344m),護摩壇山(1372m)などの山々に囲まれ,村域のほとんどが山林である。平均標高700mで,集落山間窪地に分布し,冬季積雪も多い。和歌山の高野山地域との関係が深く,南海電鉄鋼索線(高野山ケーブル)高野山駅からバスが通じる。1953年の水害凍豆腐と製箸工場が全滅し,また60年には金屋淵鉱山が閉山し,離村,過疎化が進んだ。基幹産業は林業で,育苗,みがき丸太製造などが盛ん。西縁は高野竜神国定公園に含まれ,高野竜神スカイライン(2003年無料開放)の完成により野迫川温泉などの観光開発を進めている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「野迫川」の意味・わかりやすい解説

野迫川(村)
のせがわ

奈良県南西部、吉野郡の村。村の中央部に荒神(こうじん)岳(1260メートル)、南に伯母子(おばこ)岳(1344メートル)、西の和歌山県境に白口峰(しらくちみね)、陣ヶ峰などの山々が連なる山間村で、十津(とつ)川の上流川原樋(かわらひ)川、池津川、中原川沿いにわずかに集落が点在する。林野が村域の97%を占め、主産業は林業。アメノウオアマゴ)の養殖、ワサビ栽培なども行われる。和歌山県境は高野竜神(こうやりゅうじん)国定公園の一部。年末年始に行われるオコナイは県の無形民俗文化財。面積154.90平方キロメートル、人口357(2020)。

[菊地一郎]

『『野迫川村史』(1974・野迫川村)』


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